ラーメン二郎(ラーメンじろう)は、東京都港区三田に本店を構えるラーメン店、および同本店の店主・創業者である山田拓美(慶應義塾特選塾員)の登録商標。
1968年(昭和43年)に創業。1970年代には慶應義塾大学三田キャンパスのある東南の角に当たる交差点脇での営業を開始。1996年(平成8年)に三田キャンパスの西南に移転した。「ラーメン二郎 三田本店」の名称で営業する。
麺の上には、野菜(モヤシとキャベツ)と「ぶた」とよばれるチャーシューが載せられる。豚肉を主な材料とした出汁に、チャーシューの煮汁をベースにしたタレを加えて調整する。三田本店を含めた殆どの店舗で自家製麺を行い、原材料として日清製粉の強力粉「オーション」を使用している。出来上がった麺は基本的に比較的太く、ごわごわした平打ち麺となっている。
スープはチャーシュー用の豚肉や豚骨にキャベツの芯やニンニクなどの香味野菜、背脂を煮込んで作られる。豚の脂が混ざり脂肪分が多い。
ラーメン二郎で使う醤油は、以前は千葉県の柴崎味噌醤油店が製造しカネシ商事が販売していた「ラーメン二郎専用醤油」とラベルに表示されている醤油を使用していた。現在は株式会社エフゼットによる「ラーメン二郎専用しょうゆ」及び「ラーメン二郎専用みりん風調味料」を使用している。
提供されるのは豚骨ベースの醤油味のラーメンが主であり、メニューは麺の量と叉焼(「ブタorぶた」と表記される)の量の組み合わせで構成されている。
ラーメン二郎では基本的に、普通のラーメンのことを小(しょう)、大盛りラーメンのことを大(だい)と呼んでおり、中や普通、並といったメニューはない。また、小といっても一般的なラーメンに比べると小で普通のラーメンの特盛かそれ以上、大で普通のラーメンの大盛り2杯分相当と量が多い。なお、店舗によっては「ミニ」「プチ」など、小よりもさらに量を抑えたメニューがある。それらのメニューが無い店でも、食券提出時などに「麺少なめ」「麺半分」などといった要望を告げれば受け付けてくれるところがほとんどである。また、食券を提示する際に「アブラ少な目」「味薄目」「麺かため」などと申し出れば、当初の油やタレの基本量や麺の茹で加減を調整してくれる店舗もある。
三田本店以外の店舗では、味噌味・塩味、つけ麺や汁なし(油そばに似たメニュー。タレに背油や辛味、ネギなどを加え、少量のスープで伸ばしたものを麺に絡めて食べる。)、生卵や生姜などの有料トッピング(店によっては常時、またはその日、もしくは期間限定で無料で実施)などのメニューも取り扱っている。特に八王子野猿街道店2では、通年でさまざまなメニューを期間限定で提供している。また、ビールを提供する店舗も存在する。
店の前には特定保健用食品飲料を主とした多く扱う自販機があり、購入した飲み物を持ち込めることが多い。
基本的に「ヤサイ」「ニンニク」「アブラ」「カラメ」の4つのトッピングが無料で可能である。なお、通常のラーメンに入っているトッピングは「ぶた」とひとつかみ程度の「ヤサイ」であり、ニンニクは入っていない。ニンニクをトッピングしたい場合は別途後述の「コール」で店員に申し付ける必要がある。
「ニンニク」はおろし状〜粗みじん切りにされた生ニンニクが丼に入れられる。「アブラ」とは、スープを作る際に煮込まれた粒状の背脂であるが、店舗によっては別途、醤油などで味付けされた背脂や別途背脂を調理し塊のまま出すことがある。「カラメ」とはラーメンで使用するタレを上から回しかけ、さらに濃い味に調製することである。
ほとんどの店舗で、ラーメンを供する直前に、店員が客に向けて「ニンニク入れますか?」などと問うので、客は「ニンニク」の有無や「ヤサイ」「アブラ」「カラメ」の追加の希望について返答をしなければならない。また「少なめ」「抜き」など、トッピングの量も融通をきかせてもらえる店舗が多い。また、新宿小滝橋店等一部店舗では着席時にトッピングの有無について聞かれる。
独特の聞き方、また返答の仕方からインターネット上では呪文(ヤサイマシニンニクカラメスコシ、等)と呼ばれるが、「ニンニク入れますか?」の問いかけに「はい」や「お願いします」、「入れてください」等と答えるだけでも注文は通じる。
出典:Wikipedia / ラーメン二郎